トホホの神様が舞い降りた日

朝，いつもよりちょっと早く会社について，喫煙場所である非常階段で缶コーヒーをすすりながら一服。
とりあえず，今日やるべきことを整理したりしてみる。
始業のチャイムが鳴り，自席に戻ったら，社会の窓が全開・・・

一服しているときに数人階段を上ったり下りたりしていたはずで，それを考えると・・・あぁ。

■さらなるトホホ
トイレの個室で用を足していたときに，ふいに右目が痒くなり軽くこすったら，あら，急に世界がぼんやりと・・・
この季節，乾燥すると簡単にコンタクトレンズは外れるわけで。
いくら周りや着衣，靴の裏まで見ても見あたらず（一応便器の中まで覗いた。あったとしたらどうしようか真剣に悩んだ），かといってこれでは仕事にならず。
上司にコンタクトを無くしたので新しいものを買ってきたいとこっそり告げ，そそくさと外出。

■アララの神様現る
10数年世話になっているところは会社の最寄り駅から2つ先の駅から徒歩5分。
その駅を出て3分くらいのところで，左足の薬指あたりに妙な違和感を覚える。
まさか・・・と思いつつ靴を脱いで違和感の正体を確かめると・・・
あらら。こんなところに探していたコンタクトが。
え？ってことは，なに。
宙を舞ったコンタクトは左足の土踏まず側のわずかな隙間から入り込んで，必死こいてコンタクトを探してそそくさと外出して2駅のって3分ほど歩いているうちに薬指まで来たってこと？
そんな，莫迦な。

そうは言っても現実にコンタクトはここにあるわけで。

一応きれいにして右目に装着。
とりあえず問題はなさそう。
問題がないなら帰るか・・・とちょっと駅に向かって歩き出してからふと考える。
いや，待て。
どういうルートを取ったにしても，このコンタクトを踏んづけちまった可能性は高いわけで，ってことは傷なり歪みなりを作っちゃった可能性もあるわけで。
とりあえず，再び店に向かう。

■最大のトホホはここに待ち受けていた
お店に着いた。
「どうされましたか？」
そうだ。
どうしたのかを説明しなきゃならんのだ。
っつっても，何をどう説明すりゃいいんだ。
なんか，急に恥ずかしくなってきたぞ。
「ええっと，コンタクトを落としちゃいまして，あ，まぁ，コンタクト自体は見つかったからよかったんですけど，その，落ちた場所が靴の中でして，で，どうやら踏んづけちゃったっぽいんで，傷とか歪みとかあったらまずいよな，っとか思いまして・・・」
あぁ，なんかしどろもどろだし，自分で話してて内容がよくわからないし。
だいたい，どういう状況下なら落としたコンタクトが靴の中に入るっつんだよねぇ。
受付のお姉さんが黙って疑問も差し挟まずに聞いてくれたのが嬉しい・・・けど，それ故に恥ずかしさが倍増する。
「わかりました。じゃ，ちょっと検査しますね。」
ほどなく問題がなかったことがわかり一安心。

■とどめのトホホ
だけど。
冷静になって考えたら，ごく普通に
「コンタクト落としちゃったんですけど，傷ついてないか見てもらえますか？」
でよかったんじゃん，ということに気づき，今日一番のトホホな気分に・・・